
オール電化の電気代を正直試算|宮城・東北電力の単価と下げ方3つ【2026年】
「電気代がこれだけ上がった今でも、オール電化は本当にお得なの?」
給湯器の買い替えや住まいの見直しを機に、こんな疑問を持たれた方は多いのではないでしょうか。すでにオール電化のお住まいで、この冬の請求額に驚いたという方もいらっしゃるはずです。
オール電化の電気代への不安は、だいたい次の3つに集約されます。「平均と比べてうちは高いのか」「ガス併用のほうが安いのではないか」「何をすれば下がるのか」。この記事では、この3つの疑問に順番にお答えしていきます。
先に結論をお伝えすると、オール電化が一律に損になったわけではなく、「プラン・設定・設備」の3つが今の暮らしに合っているかどうかで電気代は大きく変わります。
私たちECOでんき(株式会社協栄電設)は、創業56年、仙台・宮城で太陽光・オール電化・エコキュートの施工を手がけてきました。この記事では全国平均の一般論ではなく、東北電力の現行プランの単価を使って、宮城のご家庭に近い条件で電気代を考えていきます。読み終えるころには、「我が家はどこを見直せばよいか」の判断軸が手に入るはずです。※2026年7月時点の情報です。料金単価や制度は変わる場合があります。
■ オール電化の電気代の平均はいくら?——全国データの目安と限界
まず結論から。オール電化住宅の電気代は、公開されている各種の平均データを見ると、1人暮らしでおおむね月1万円前後、4人世帯で月1.6万〜1.8万円前後が一つの目安とされています(集計の時点や方法により幅があり、近年の料金改定を反映した集計では高めに出ることもあります。エリアや契約プランでも差があります)。
ガス併用の住宅と違い、オール電化は給湯も調理も電気でまかなうため、電気代の金額そのものは大きく見えます。ただしその分、ガスの基本料金・使用料金は一切かかりません。「電気代が高い=光熱費全体が高い」とは限らない点は、比べるときの前提として押さえておきたいところです。
季節による変動も小さくありません。暖房と給湯の電力消費が重なる冬(1〜3月)は、他の季節より高くなる傾向があります。冬の冷え込みが強い宮城では、この振れ幅は特に意識しておきたいポイントです。
ここで注意したいのは、こうした平均データの多くが全国、あるいは他エリアの電力会社の集計だという点です。電気料金の単価は電力会社ごとに異なるため、宮城にお住まいの方が全国向けの平均とだけ比べても、判断を誤りやすくなります。そこで次の章では、東北電力の現行プランの単価で考えていきます。
■ 【宮城・東北電力】現行プランの単価で試算する
試算の前に、知っておきたい現況があります。東北電力の公式サイトによると、オール電化向けの旧プラン「よりそう+シーズン&タイム」は、2023年3月31日をもって新規加入の受付を終了しています。「よりそう+ナイト」系のプランも同様です。
つまり、これからオール電化を始める方やプランを選び直す方には、ネット上の解説によくある「深夜割引プランでお得に」という旧プラン前提の話が、そのままは当てはまりません。現在新規で契約できる時間帯別プランの代表が「よりそう+スマートタイム」です。公式掲載の単価は次のとおりです。
| よりそう+スマートタイム | 単価 |
|---|---|
| 基本料金(10kVA以下) | 4,356円00銭/月 |
| 昼間(8時〜22時) | 36円86銭/kWh |
| 夜間(22時〜翌8時) | 29円86銭/kWh |
※2026年7月時点の東北電力公式サイト掲載単価。燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は含みません。単価は改定される場合があります。
試算条件とモデルケース
この単価で、モデルケースを1つ試算してみます。前提条件は次のとおりです。
- 東北電力「よりそう+スマートタイム」を契約(上の単価表を使用)
- 4人家族・月の使用量450kWhと仮定
- 夜間(22時〜翌8時)に全体の4割(180kWh)を使用
- 燃料費調整額・再エネ賦課金・各種割引は含まない
| 内訳 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 10kVA以下 | 4,356円 |
| 昼間の電力量料金 | 270kWh × 36円86銭 | 約9,952円 |
| 夜間の電力量料金 | 180kWh × 29円86銭 | 約5,375円 |
| 合計(目安) | — | 約19,700円/月 |
※あくまで前提条件つきの単純計算です。実際の請求額は使用量・昼夜の配分・燃料費調整額等で変わります。
冒頭でご紹介した4人世帯の平均(月1.6万〜1.8万円前後)より高く見えますが、この試算は使用量や昼夜の配分の置き方で大きく動く数字です。金額そのものよりも大切なのは、「昼と夜で単価が約7円違う」という構造をつかむこと。この構造が、後ほどご紹介する節約の考え方の土台になります。
旧プラン(シーズン&タイム等)を契約中の方へ
すでに旧プランをご契約中の場合は、現時点ではそのまま継続して利用できます(今後の取り扱いは変わる可能性があるため、最新の案内は東北電力でご確認ください)。公式掲載の単価では、よりそう+シーズン&タイムは夜間(22時〜8時)が27円95銭/kWhに対し、冬季・夏季の昼間ピーク時間帯は52円21銭/kWhと、約1.9倍の開きがあります。
「旧プランだから損」と単純には言えません。夜間単価(27円95銭)は現行の「よりそう+スマートタイム」(29円86銭)より安いため、夜間中心の暮らしなら今も有利に働きます。一方で、在宅勤務が増えたなどの理由で昼間の使用が増えているご家庭では、割高なピーク時間帯に使い続けている可能性があります。ご自宅の検針票やWeb明細で、時間帯ごとの使用量を一度確認してみてください。
■ ガス併用と比べて損か得か——比較の考え方
「結局、ガス併用とどちらが安いの?」という疑問には、実は一概にお答えできません。使用量や住宅の条件で答えが変わるためです。ただ、比較の軸を3つ知っておくと、我が家の場合の見当がつけやすくなります。
1つめの軸は基本料金です。ガス併用の住宅では、電気とガスの基本料金を毎月二重に支払います。オール電化は光熱費が電気に一本化されるため、この固定費の重複がなくなります。使っても使わなくてもかかる費用が1本にまとまる。これがオール電化の分かりやすいメリットです。
2つめの軸は給湯の効率です。オール電化の給湯を担うエコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式のため、同じ量のお湯をつくる場合でも消費する電力量を抑えやすい仕組みです。さらに単価の安い夜間を中心に沸き上げるため、効率と時間帯の両面で給湯コストを抑えられます。
3つめの軸は世帯人数です。お湯や調理の使用量が多いご家庭ほど、一本化と給湯効率のメリットが積み上がりやすい傾向があります。逆に、1人暮らしなど使用量が少ない場合は差が出にくいこともあります。
なお、ガスや灯油からの切り替え工事そのものの話は、本記事では扱いません。ここでは「電気代の構造として、どちらが我が家に合うか」の整理にとどめます。判断の第一歩は、今の検針票で月々の使用量と時間帯の内訳を知ることです。
■ オール電化で電気代が高くなる3つの原因
「オール電化にしたのに、思ったより高い」。そんなご相談の背景を現場で伺うと、原因はおおむね次の3つのどれかに行き着きます。オール電化そのものが損なのではなく、現状に合っていない使い方が損を生んでいるケースがほとんどです。
原因1:料金プランが今の暮らしに合っていない
もっとも多いのがこれです。何年も前に契約した夜間割引型のプランのまま、在宅勤務や家族構成の変化で昼間の使用量が増えているケースです。先ほどご紹介したとおり、旧プランでは昼間ピークと夜間で単価に約1.9倍の差があります。夜型の暮らしを前提にした契約のまま昼型の生活に変わると、割高な時間帯に電気を使い続けることになります。
原因2:エコキュートの設定が最適化されていない
意外に見落とされがちなのが、給湯の設定です。最近のエコキュートには、天気予報や生活パターンに合わせて沸き上げを自動調整する「おまかせ」系のモードがあります。ところが現場でお客様のお宅を拝見すると、この機能を使わず手動設定のままというケースが少なくありません。私たちの経験では、こうした設定を活用しないと節電効果が半減してしまうこともあります。
原因3:設備が古い・容量が合っていない
10年を超えたエコキュートや、さらに前の世代の電気温水器は、最新機種に比べて効率面で不利になりやすくなります。また、家族構成に対して大きすぎるタンク容量を選んでいると、使い切れないお湯を沸かして保温し続けることになり、これも電気代を押し上げる要因です。実は「大きい機種ほど安心」とは限らないのです。
使用年数が10年を超えている場合は、電気代とあわせて故障リスクの面でも節目を迎えています。買い替え判断の目安はエコキュートの寿命と交換サインの解説記事で詳しくまとめています。
■ 今日からできる電気代の下げ方——現場で効果を感じる順に
ここからは、費用をかけずに見直せるポイントを、宮城で現場を重ねてきた私たちの実感として、効果を感じやすい順にご紹介します。
1.エコキュートの沸き上げ設定を見直す
「エコキュートは深夜に沸かすほど得」と思い込んでいませんか? 夜間単価の安いプランでは基本その通りなのですが、実は条件によって最適解が変わります。メーカーの解説では、外気温が高い昼間のほうが沸き上げの消費電力が少なく、沸かしてから使うまでの時間が短いぶん放熱ロスも小さいとされています。太陽光発電のあるご家庭なら、昼間の余剰電力で沸かす選択肢もあります。
とはいえ、この損得をご自身で毎日判断する必要はありません。ポイントは、「おまかせ」系モードや天気予報連動機能に任せることです。宮城の冬は深夜に氷点下まで冷え込む日が多く、外気温が低いほど沸き上げ効率は下がります。天気予報連動に対応した機種なら、翌日の天気や生活パターンに合わせて沸き上げを自動で調整してくれます。Wi-Fi対応機種であればスマートフォンから設定を変えられるため、料金プランを変更した後の追従も簡単です。
2.電気を使う時間帯を無理のない範囲でずらす
現行のよりそう+スマートタイムでは、昼間と夜間の単価差は7円ちょうど(36円86銭−29円86銭)です。たとえば食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機をタイマーで22時以降に回し、1日あたり1.5kWh分を夜間に移せたとすると、単純計算で月に約300円、年間で約3,800円の差になります。
正直なところ、これだけで劇的に下がるわけではありません。ただし旧プラン(昼間ピークと夜間の差が約24円/kWh)をご契約中のご家庭では、同じ工夫でも3倍以上の効果になる計算です。生活に無理のない範囲で、動かせる家電から試してみてください。
3.契約内容を数字で確認する
- プラン名を確認する — 検針票かWeb明細で、旧プランか現行プランかをまず把握します
- 契約容量(kVA)を確認する — 基本料金に直結します。実態より大きすぎれば見直しの余地があります
- 時間帯別の使用量を確認する — 我が家が昼型か夜型か、実態を数字で知ることが全ての出発点です
プラン変更や契約容量の見直しは、この実態データがそろってから検討すれば十分です。なお、受付終了した旧プランは、一度変更すると元に戻れない場合があります。変更前に東北電力へ確認することをおすすめします。
■ 設備側でさらに下げる選択肢——給湯器が10年超なら検討価値
設定や使い方の見直しで改善しきれない場合、あるいは設備が10年を超えている場合は、設備側の更新も選択肢に入ってきます。
特に電気温水器をお使いのご家庭は、ヒートポンプ式のエコキュートへの交換で給湯の消費電力量を抑えやすくなります。10年超のエコキュートからの買い替えも、効率の改善に加えて、壊れる前に計画的に交換できるという安心の面でメリットがあります。実際の削減幅はご家庭の使い方や設置環境によって異なるため断定はできませんが、現地調査でお湯の使い方を伺えば、より現実的な見通しをお伝えできます。
初期費用の相場感はエコキュート交換費用の内訳ガイドで詳しく解説しています。また、交換の際は国の補助制度(給湯省エネ2026事業)の対象になる場合があります。制度の内容と申請の流れは宮城のエコキュート補助金 完全ガイドをご覧ください。
機種選びで大切なのは、家族の人数とお湯の使い方に合った「過不足のない一台」を選ぶことです。先ほど触れたとおり、大きすぎる容量は電気代の面でかえって不利になります。選び方の考え方はエコキュートの選び方・7つの基準ガイドにまとめています。
太陽光発電や蓄電池と組み合わせて、昼間の電気を自家消費する方法もあります。ただし初期費用とのバランスはご家庭の条件次第です。私たちは太陽光・蓄電池・オール電化をまとめて手がける施工会社として、組み合わせの向き不向きも含めてご相談を承っています。「うちの場合はどうなる?」というご相談だけでも構いません。
■ まとめ:オール電化の電気代は「プラン・設定・設備」の3点で決まる
オール電化の電気代を全国平均と比べて一喜一憂する必要はありません。確認すべきは、我が家の「プラン・設定・設備」が今の暮らしに合っているかどうかです。
電気代を見直す「3点チェック」
- プラン:契約中のプラン名と時間帯別の単価・使用量を把握しているか(旧プランのままの方は特に確認を)
- 設定:エコキュートの「おまかせ」系モードや天気予報連動を活用できているか
- 設備:給湯器の使用年数が10年を超えていないか。タンク容量は家族に合っているか
3つのうちプランと設定は、今日から費用をかけずに見直せます。設備が10年を超えているなら、壊れてから慌てるのではなく、壊れる前に計画する。それが結果的に負担を抑えるコツです。
現地調査とお見積りは無料です。お気軽にご相談ください。